任意整理の重要な内容
法人税法は内国法人(日本に本店または主たる事務所がある法人)の全世界所得を課税対象としています。
したがって海外進出をした会社が、外国で預金をしたり事業を行ったことにより、当該国で法人税等を課税される場合がありますが、その場合でも日本の法人税法の課税所得に含めて計算します。
すると、同一所得に対して「国際的二重課税」問題が発生することになります。
これは、経済の国際化、とりわけ貿易立国の日本国にとって、時代錯誤となるわけです。
そこで、法人税法では、外国で会社の所得に対して課せられた外国法人税(対象となる法人税かについてはチェックが必要)については二重課税を避けるために、国外所得を課税対象に含める代わりに、外国法人税等を日本の法人税から控除する方法(外国税額控除方式)と、所得計算上損金に計上する方法(外国税額損金算入方式)とのいずれかを選択することを認めています。
大事なことは、国際企業活動について税務戦略をたてる場合に海外で課税されても常に日本国での外国税額控除があるということ(どこの国で課税されても同じ)を忘れないこと、しかしその一方で、この制度は条件付きであって状況によっては完全に二重課税をなくしてくれずに取りこぼれがあるという限界を忘れてはいけません。
また、海外での安易な税務申告・納税を日本で控除を受けようということは到底認められません→ 海外での高率税負担=海外での税率が課税所得に対して五〇%を超える税額の支払いは「高率負担部分」として、二重課税ではないところから日本の法人税等から控除してくれません。
ただしこれは国ごとに判定するのではなく、全世界を合算することから高率課税の国と低率課税の国とがミックスされて判定されることから、企業に有利となっています。
国外所得の制約=負担税率が五〇%以下であっても、当該企業の日本国で納付している日本の法人税のうち、全世界所得に対する国外所得(海外に所得の源泉がある)に対応する外国法人税額までが控除対象枠(控除限度額)となります。
したがって、日本国内の事業が赤字の場合または海外に比較して国内所得が少ない場合には、海外で納付した法人税額等は日本の法人税額から控除できないか控除できても一部に限られてしまうことになります。
なお、全世界所得に占める国外所得の割合は九〇%を限度としている(シーリング)ため、控除枠が一層狭められています。
控除繰越制度の制限=ある年度の外国法人税額が税法が認める控除限度額(全世界一括限度方式)を超えている場合には、超過額の三年間の繰り越しが認められています。
逆にある年度での外国法人税額が上記控除限度額を下回っている場合には、その差額は控除余裕額として同じく三年間に限って繰り越すことができます。
しかし、諸外国と比べてこの三年間が実務上厳しい制約となっています。
直接税額控除制度=たとえば、日本企業の海外支店がその国で稼いだ所得に対して法人税をかけられ当該企業が納税した場合、または日本企業が外国企業に融資や預金をしたことで発生した利子所得に対して支払国で源泉所得税を控除させられた場合等に、直接納付した外国税額を日本の法人税額等から控除できる制度です。
間接税額控除制度=たとえば、外国子会社から配当を受ける場合、国内子会社と違って受取配当非課税(益金不算入)の制度はありません。
したがって配当は、外国で法人税等をすでに負担した後の金額であることから、日本で受取配当として課税されると、まったくの二重課税となってしまいます。
そこで、外国子会社がその年度の決算書利益に対して負担した外国法人税とその利益から生まれた配当金額との割合で、日本の親会社が収益計上した受取配当金に見合う外国法人税額を計算します。
そして直接納付した税額と同様に、日本の法人税から控除できる制度です。
海外で持株会社等を設立している場合がありますが、外国孫会社(子会社の子会社)から子会社に配当が支払われ、その子会社から親会社に配当がされた場合にも、その配当に対応する孫会社が支払った法人税に対しても同様に取り扱われます。
なお、ここでいう外国子会社とは、配当確定日以前六ヵ月間にわたって発行済株式の二五%以上所有している会社をいいます。
なお、間接税額控除の計算は、子会社の決算書、納税資料の入手等がありますので事前の準備が必要です。
また、子会社決算書上の税金費用と納税額とに差がある場合などかなり難解なケースが多いのですが、かなり形式的に計算されるのが特徴です。
みなし税額控除=いわゆる発展途上国が外国企業や外国資本を積極的に導入するために優遇税制(税率が低い、設備投資への減価償却の上積み等の税の減免制度)を設けている場合があります。
しかしこうした恩典も、日本国で所得に含めて課税され、現地国の低い税額だけが外国税額控除されるとなると、企業にとっては現地での恩典が無駄になってしまいます。
そこで、日本国といくつかの発展途上国とでは、租税条約で、こうしたことのないように減免された税金についても現地で本来の課税がされたものとみなして、日本で外国税額控除(直接および間接税額控除)することを認めている制度です。
注意したいのはどこの発展途上国でもある制度ではなく、日本との租税条約に明記されていないと認められないということです。
租税特別措置法に準備金や特別控除が設けられ、企業の海外進出を支援しています。
海外投資損失等準備金=日本法人が発展途上国に設立する製造会社に一定率以上の出資をしたり、増資に応じたり、また一〇年以上の長期貸付金を行った場合、その投資額の一定割合を株主総会の利益処分で積み立てたときは、積立額を税務上費用に認めるという海外投資促進税制です。
ただし、積立後五年間は据え置きますが、その後五年間で毎年均等に取り崩し税務上利益に繰り入れます。
つまりこの優遇制度は税の減免ではなく、税の繰り延べであることに注意してください。
それでも投資リスクをそのあらかじめ投資時点で税務上の費用としてみてくれるのは、大変な恩典となります。
投資額に対する積立率は投資の性格によって一五%から一〇〇%まで開きがありますが、一般の事業会社は一五%の積立率(平成八年度税制改正大綱では一二%の案)、つまり、投資額の一五%(同上一二%)を損金処理できます。
なお、この恩典は投資(増資)した事業年度に限って認められるということ、この恩典を受けるには申告時に通産大臣の認定書その他提出書類が必要であること、さらに事業税についてはこの制度の恩典はないことに注意してください。
技術等海外取引所得の特別控除=海外に技術等を移転する場合に法人税を軽減することで、技術移転を促進する制度です。
空洞化現象で子会社の海外進出が盛んですが、特許権等の工業所有権、ノウハウの移転した場合、専門的な科学技術知識を必要とするサービスを提供した場合などが該当します。
ノウハウや工業所有権の譲渡による収入の場合は、収入の七%、サービスの提供による収入については一二%を損金に算入できます。
このほかにも詳しい条件にありますが、なかでも通産大臣の証明書も絶対必要となっています。
役員報酬の名目で支給しても、役員賞与として損金処理を認めないケースがかなりあります。
また、不相当に高い役員報酬に厳しい目が注がれています。
大物役員の退職金には、分割支給、年金、生命保険などを使った資金対策や節税対策が必要です。
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